【特集】光と翳
日本古来の空間は闇や暗さのなかに本質があり、そうした空間のなかでこそ物やふるまいの美しさが引き立てられると記した谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』。谷崎がこの文章を発表した約90年前(初出1933年)に比べると、現代の住宅空間は外国の文化が浸透し暮らしも技術も大きく変わり、明るさ・暗さに対する認識や、光の取り入れ方も大きく変化してきていると言えるだろう。とはいえ、均質な明るい空間よりも、光が移ろっていくさまや、木漏れ日、陰影や暗がりに美しさや心地よさを感じる人は少なくない。とくに、長い時間を過ごす住宅においては、生活に変化を与えてくれるものとして重要な要素となる。本特集では、日本建築における光と翳の特質とはどのようなものであるかを改めて考える機会とし、手嶋保氏による巻頭文、中川武氏の論考、5名の設計者によるそれぞれの「光と翳」による空間の設えを紹介する。(トップページ写真=楠瀬友将)
巻頭文 手嶋保
根源的な豊かさを求めて
内子・温回
設計=手嶋保建築事務所
光を刻む場所
三秋アトリエ
設計=手嶋保建築事務所
険しい地形のなかに静かに佇む
三秋ホール
設計=手嶋保建築事務所
杉板が静かな陰影をもたらす
別名の家
設計=杉下均杉下均・出口佳子
静寂の気積 杉下均・出口佳子
日常に奥行きを与える骨格とディテール
浜松の家
設計=Atelier Assiette/入江美那子・大島駿
陰影を活かした大阪町家の改修
大阪住吉の町家
改修設計=木村哲矢建築計画事務所
柱の間(あわい)に落ちる翳
奥之家
設計=大庭徹建築計画
日本住宅の光と翳 中川武













