【特集】オークヴィレッジの50年 木の文化をつなぐ

創立50周年を迎えたオークヴィレッジを特集する。『住宅建築』2006年9月号では「オークヴィレッジの30年」と題して特集した。その後の20年で何が変わったか。どんな暮らし、住まいが求められるようになってきたか。
オークヴィレッジは稲本正氏らによって1974年に設立された。1976年に岐阜県高山市清見町牧ヶ洞(旧大野郡清見村)に拠点を構え、1985年、現代表の上野英二氏が参加して設計施工体制による木造建築研究所をスタートさせた。50年前、別荘地として開拓された木のない荒れた土地を整備し、さまざまな種類の木を植えた。現在はそれらの木々が大きく育ち、豊かな森の中に工房や材料倉庫、ショールームなどが建っている。
創立当初から「お椀から建物まで」を掲げ、木を使ったものづくり、家づくりを職人とともに行う。近年、日本の職人不足や伝統技術の継承の危機、林業の問題、ウッドショックなど、木をめぐる問題が取り上げられることも増えてきたが、オークヴィレッジは一貫した姿勢で森と家、人をつなぐ取り組みを続け、その活動はさらに拡がりをみせている。
今回の特集では、木を生かし、伝統に根ざしつつ暮らしやすさと洗練された佇まいが魅力的なオークヴィレッジの木造建築を中心に紹介する。(写真=齋部功)
木造建築に夢を見る
上野英二
対談
木造文化、ふたたび
上野英二×横内敏人
木造8題 設計・施工=オークヴィレッジ
100年の杜に建つ木造
明治神宮CAFÉ 杜のテラス
母屋と土蔵を活かし、3世代で暮らす
住み継がれる家
緑を愉しむ街中の住まい
中庭のある家
適切な改修によって、現代の暮らしに寄り添う民家へ
飛騨高山に蘇る家
五角形の木の空間で音を奏でる
ピアノホールのある家
木造ホールを移築し、永く使い続けられる場所へ
井深大記念館
祖父が育てた木で営みの場をつくる
木戸脇果樹園 オーチャードハウス
大屋根が暮らしを包む
百年住みたい家
100年後の森と建築
稲本正