[第1特集]みどりへのまなざし──瀧光夫の仕事『住宅建築』No.484 2020年12月号
「“みどり”は、植物も含めた、快適で美しい外部空間(心地好いオープンスペース)のことであり、デザインされた快適なオープンスペースの総称が“みどり”だと思います」──瀧光夫(『JAPAN LANDSCAPE』1993年2月号でのインタビューより)
植物園や公園施設などをはじめ、数多くの建築を設計した瀧光夫さん(2016年没)。各地には数多くの作品が残されており、地域の安らぎの場として親しまれています。今回の特集では、そのうち自邸を含む5つの作品を、瀧さんの膨大なスケッチや言葉と共に紹介します。また生前、瀧さんと交流のあった宮城俊作さん、髙砂正弘さんにお話をうかがいました。
ウイルスとの共存や人口減少の時代へ向かう今、建築のあり方を見つめ直し、いかに豊かな「間」を創造できるかが求められています。瀧さんが向けたみどりへのまなざしは、模索を続ける今の私たちの手がかりとなることでしょう。
(上写真2点=松村芳治)
『建築と緑』 文=瀧光夫
建築と緑の融合、瀧建築の原点
「愛知県緑化センター」 設計=瀧光夫 造園=中村一
都市にうるおいを与える緑のオープンスペース
「大阪府服部緑地都市緑化植物園 花と緑の相談所」 設計=瀧光夫
生駒山系の豊かな自然環境を活かしたくつろぎの場
「シャープ労働組合研修レクリエーションセンター アイ・アイ・ランド」 設計=瀧光夫
土地の記憶を受け継ぎ、新しい風景を創る
「古今伝授の里フィールドミュージアム」 設計=瀧光夫
瀧光夫の言葉
インタビュー・瀧光夫が目指した「みどり」の空間 宮城俊作・髙砂正弘 聞き手=松隈洋
瀧光夫が求めたもの
──緑と建築の対話的思考をめぐって 文=松隈洋