[特集]屋根再考『住宅建築』No.479 2020年2月号
特集 屋根再考
風雪に耐えるもの 文=堀部安嗣
第一部 茅葺き
茅葺きの「茅」は材料の総称を差し、日本ではススキなどが使用されている。茅を刈り屋根を葺き、古くなったら田畑の肥料に使い、新しく生えてきた茅で屋根を葺く。弥生時代から続く循環だ。近代以降はこの循環が崩れ茅葺きは次々と姿を消した。しかし、近年新たな変化が起きている。地方へ移住したいという人や古い家に住みたいという人が増えた。職人の現場も若手が活躍し、新たな取り組みが始まっている。茅葺きを当たり前に使う。そんな未来も遠くないのかもしれない。
茅葺きの家に暮らすこと
東邸 監修=岡祐紀+富田晨 茅葺き=美山茅葺
インタビュー 美山という場所で紡ぐ未来
美山茅葺/中野誠+岡祐紀
茅葺きの可能性を拡げる「茅壁」
ilou 茅葺き=くさかんむり/相良育弥
インタビュー 挑戦をつづける茅葺き くさかんむり/相良育弥
茅葺きが繋ぐ、生き物の輪と里山文化 安藤邦廣
第二部 瓦葺き
朝鮮半島から伝来したとされる瓦。1400 年という長い歴史をもつ。風雨から住まいを守り、力強く、そして地域らしい風景を生み出してきた。近代以降瓦の製造は機械化が進んだが、土を捏ねて焼く、というシンプルな製法は変わらない。情熱をもって瓦づくりに取り組む瓦メーカー、瓦の魅力を見出した建築家の取り組みを紹介する。
瓦の産地を訪ねる 淡路瓦・大栄窯業
瓦屋根の下にある、人と人の繋がりを取り戻したい 大栄窯業/道上大輔
屋根を葺くしくみ-茅葺きと瓦葺き- 石川廣三
地元にある素材でつくる住まい
淡路島の家 設計=ヒラマツグミ一級建築士事務所/平松克啓
能登瓦の風景のなかに佇む住まい
アテイエ 設計=能登デザイン室/奈良雄一
美しい佇まいと暮らしやすさを両立する街中の住まい
南荻窪の家 堀部安嗣建築設計事務所
本体2,400円+税 購入はこちらから