[特集]うなぎ漁師・建築家 髙原次郎兵衛正伸 『住宅建築』No.497 2023年2月号
建築家として、うなぎ漁師として活動する髙原さん。設計活動を続けるなかで自分で施工してみなければ得られないものがあると、約10年前から自邸「54帖の中庭」の自力建設を始めた。目の前の湖でうなぎ漁もスタートし、うなぎを捌く場としてうなぎ棟をつくった。これまでに小屋7棟が竣工し、自身の生活と「54帖の中庭」が密接に関わりながら家は変化を続けている。自分で手を動かし、使えるものはとことん使い切るという髙原さんの信念と生活は、現代の建築、社会に大きな刺激を与えるだろう。髙原さんが設計し、杣耕社が施工を手がけた「Kagiyama gallery bar」は、移動式の数寄屋建築。小さな建築であれば費用を抑えられ、伝統建築を身近なものに感じてもらえる機会にもなる。そしてこの小さな建築の蔀戸を開けば、田園の風景も、都市の風景も取り込み、周囲の環境と一体となった開かれた場が生み出される。(特記なき写真=白谷賢)
つくる・住む・生きる場所
54帖の中庭 設計=髙原次郎兵衛正伸
自作自演自力建設「54帖の中庭」 文=髙原次郎兵衛正伸
小さな箱に能舞台を落とし込む
Kagiyama gallery bar -賀儀山君の箱- 設計=髙原次郎兵衛正伸
尽きない箱談義―小さな箱の無限の可能性
髙原次郎兵衛正伸×賀儀山泰志×山本耕平×ストーレンマイヤー・ジョナサン
私の建築人生
自力建設、うなぎ漁師、そして船の生活 髙原次郎兵衛正伸