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[特別記事]吉村順三の小さな山荘 『住宅建築』No.498 2023年4月号

吉村順三が1952年に設計した「旧村田別荘(鍵富邸)」。長年使用されていなかったため傷んでいたが、現所有者の手に渡ったのち、白井克典氏が改修し竣工時の状態に復元された。室内はコンパクトだが、大きく張り出したテラスが広がりを感じさせる。森の景色を切り取る窓や造り付けのベンチ、暖炉、カウンターキッチンなど、吉村らしいデザインとディテールが随所に見られ、70年前とは思えない瑞々しさがある。吉村の自邸「軽井沢の山荘」の約10年前につくられた作品であり、軽井沢で多数建築を手掛けた吉村にとって、その原点となる作品とも言える。小さな空間にどんな工夫がされているのか、居心地の良さはどこからくるのか。写真と実測図面で紹介するとともに、改修を手掛けた白井氏と、吉村に師事した藤井章氏の視点から、小さな山荘の魅力を紐解く。(写真=野秋達也)

旧村田別荘(鍵富邸) 設計=吉村順三 改修設計=白井克典設計事務所

軽井沢の環境に耐え続けた山荘 文=白井克典
「旧村田別荘」を訪ねて 文=藤井章

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