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[シリーズ]登録有形文化財のこれから 第6回 ルルドホール・ルルドの路 『住宅建築』2023年6月号 No.499

アントニン・レーモンドが設計した香里ヌヴェール学院(旧聖母女学院、1997年登録有形文化財に登録)。幅4メートル以上ある大廊下は生徒たちのコミュニケーションの場となり、この大廊下を幹にして各棟が枝葉のように広がっています。1938年につくられた雨天体操場は、力強い骨組みのコンクリートと光と風を通すガラス窓で構成された透明感あるモダニズム建築ですが、現代では使用されなくなり倉庫化していました。この体操場が、レーモンドの空間の魅力を生かした食堂へと再生されました。「ルルドホール」と名付けられたこの空間は、食堂としてだけではなく、生徒たちが集い語らう場やイベントスペースなど多目的な用途に対応し、その隣にはホールと校舎、中庭を繋ぐ「ルルドの路」が新たに設けられました。生徒たちに愛されてきた学び舎にまた一つ新たな居場所が生まれ、学び舎の90年の歴史と設計者の想いは後世へと引き継がれてゆきます。(写真=浅野豪)

レーモンドの空間を生徒たちの新たな居場所へ
香里ヌヴェール学院(旧聖母女学院) ルルドホール・ルルドの路
改修設計=住まい工房 集+奥田絋太朗建築事務所

※関連記事 2023年2月号「生き続けるレーモンドの学び舎」

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